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リウマチ性多発筋痛症

 余り聞き慣れない病名と思います。西欧ではかなり多いようですが、日本では余り多くない病気です。

 高齢者に急に発症する、腕や脚や頚の付け根付近の対称性のこわばりと痛みを訴える原因不明のリウマチ性の病気です。大半は65歳以上、女性は男性に比べ2倍以上おおい。

 良く知られている「慢性関節リウマチ」は手指などの小さな関節が侵されるのに対して、この病気は肩や股関節など、大きな関節の近くの筋肉の急速に生じる痛みが特徴です。痛みが強いわりに、血液検査ではリウマチ反応も見られず、炎症以外に特徴のある異常は見られないのが特徴です。ただし高齢の人のリウマチは、血液検査ではリウマチ反応が低くて診断に役立たないこともあります。風邪に伴う筋肉痛として治療されてしまうこともありますが、 当然の事ながら風邪薬は効果がありません。診断がつかなくて「不明熱」などとされてしまうこともあり得ます。

 病気の原因は不明ですが、血管の炎症(血管炎)がもとで起こる病気であることが分かってきています。そのためこの病気には「側頭動脈炎」 という頭の両脇にある血管の炎症を伴うことが多く、一つ恐いことはこの側頭動脈炎は失明することがある点です。側頭動脈炎は外人に多く、日本人にはまれとされています。治療はステロイド剤が劇的に効きます。

 しかし長期に使わざるを得ないので、骨粗しょう症や感染に弱くなる可能性が出てきますので結核にならないように注意が必要です。
話は変わって、この病気のように血管の炎症で起こる病気は意外に多いのです。大動脈の炎症による高安病、結節性多発動脈炎など、膠原病の多くに血管炎が合併します。

 全身にある血管の異常による病気は沢山あり、膠原病以外でも血管を中心に考えると分かり易いことが多くあります。

 血管が詰まれば脳梗塞、肺梗塞、心筋梗塞など、炎症や閉塞を起こせば眼の病気や、足の潰瘍や静脈瘤などの病態も見えてきます。

 筋肉痛も色々な原因がありますので自己判断しないで病院、医院で見てもらいましょう。

長崎医院 長ア雄二

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